『カンブリア宮殿』 
村上隆×経済人

日本経済新聞出版社
(2008/2/26)
静岡市の税理士・会計事務所 渡村会計事務所・㈲静岡経営企画室


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written by 馬渕


 毎週月曜夜10:00から作家の村上龍氏とタレントの小池栄子さんが

今話題の経済人をゲストに向かえ、大人の為のトークライブショーが展開される番組。

この本はこの番組の収録を単行本化したものである。


2008年2月に発売された第2弾には誰もが知っている大企業から、

日常生活からは窺い知れない製造業まで、23社の社長・会長が登場する。



主な出演者としては、

 
 Ⅰ 安全でおいしい食             安倍修次 吉野屋ホールディングス社長 他
  Ⅱ 新しい技術と価値             石原恒和 株式会社ポケモン社長 他
  Ⅲ 挫折からの挑戦              池森賢二 ファンケル名誉会長 他
  Ⅳ 伝統からの脱却              工藤恭孝 ジュンク堂書店社長 他
  Ⅵ 危機感をキープするメジャー企業   木瀬照雄 TOTO社長 他

などで、多種多様の経済人が掲載されている。




 この中で私がとりわけ紹介したい経営者が  堀場製作所最高顧問 堀場雅夫氏 である。

風貌から受けるインパクトに面白さが比例し、読んでいる側は一言一句引き込まれていくよう感覚さえかんじてしまう。


氏曰く、


  「神は二物を与えないといっているが、

  その裏は必ず一物は与えているということ。

  その一物をいかんなく発揮できれば、

  必ずオンリーワン、ナンバーワンになれる。」




堀場氏は戦後今で言うベンチャー企業の先駆けともいえる堀場製作所を京都大学在学中に設立。

自動車の排気ガスを測定する装置の開発でトップシェアに躍り出た。

この会社では、“おもしろおかしく”をモットーに、

社員のやる気を最大限に引き出す名物社長として知られている。



 最近の企業の経営者のイメージは

船場吉兆の一連の不祥事の謝罪会見や丸明の食肉偽装発覚等、負のイメージが強くなっているが、

もちろんそんな経営者はホンの一部なわけで、

日本にはまだまだ

有名無名の優秀な経営者が会社の発展や繁栄、

社員の幸福のために全力をつくしている。




 しかし、ここに登場してくるゲストには 

“歯を食いしばって” や “あくせく働いて” というイメージは少しも当てはまらない。

それは、各ゲストとも仕事を楽しんでいるのであり、

人生の大半を占める仕事を謳歌しているのがひしひしと伝わってくる。


村上龍


  「みな活き活きとしていて、嫌いな仕事をやっている人はいない。

  例外なく、好きというか、
天職 としか言いようのない仕事で成功を収めている。」


ゲストたちは長い人生の中で


自分の力が最大限に発揮できるステージを自らの力で獲得した人たち だといえるだろう。




 なぜ視聴者や読者は出演者に魅力を感じるのか・・・

それは
彼らの持つエネルギーの強さではないだろうか



 ここで、過去の歴史に照らし合わせると、

私が知るエネルギーに満ちあふれた人物に 明治の文豪・森鴎外 が思い浮かぶ。


彼は『舞姫』などの小説家として有名だが、

他には翻訳家としても活躍しておりこれで二物。

さらには軍医としても陸軍軍医総監(軍医のトップ)を勤めており、これで三物。

さらには評論家や官僚等・・・

一体何個の才能に?と誰もが羨むような多才ぶりである。



 先ほどの堀場社長の発言と矛盾するのでは?と思われるかもしれないが、

私が思うに、人を惹きつける、又は魅了する条件として、

この鴎外のエネルギーと番組のゲストのエネルギーには全く同質の物であると思う。



 きっと 
生きる(ための)=仕事 ではなく 仕事=生きる が同一の概念としてあるのではないか。

むしろ彼らには“仕事”をしているという感覚すらなく、

「人生を謳歌している」 という表現が正しいのかもしれない。



 最後に村上氏はこうも語る

「何人かのゲストは 


  『今の職場でとにかく全力を尽くさないと 次のステージも見えてこない。』


というニュアンスのことを言った。」  やはり、


人に強い影響力を与えられる人物というのは 一日一日を大切に生きている人


であることを再認識させられる一冊である。



(文責:馬渕)







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